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犬を飼う費用はいくら? ― 初期費用・年間の維持費の目安と、家族で出費を記録するしかた

お座りした柴犬の雑種のまわりに、ドッグフードの袋、首輪とリード、ブラシ、ごはんと水の器、たたんだタオル、観葉植物が並ぶイラスト

犬を飼う費用は、迎えるときの初期費用と、フードや予防などで毎年かかる維持費、ケガや病気などでときどきかかる費用の3つに分けると考えやすくなります。実際の金額は、犬の大きさや毛の手入れ、住んでいる地域や暮らし方によって大きく変わります。

この記事では、法律で決められた手続きの費用や、調査で出ている犬の年間費用の目安を出典つきで紹介します。そのうえで、「うちの犬の1年」を知るための出費の記録のしかたをまとめました。

この記事のポイント

  • 迎えるときは、犬の登録(生涯1回)、毎年の狂犬病の予防注射、マイクロチップの変更登録など、決まった手続きの費用がかかります
  • ペット保険の契約者を対象にした調査では、犬1頭に1年でかけた費用は平均413,416円。治療費は89,120円です
  • 家ごとの差が大きいので、出費を記録して「うちの1年」を出し、家族みんなで見られるようにしておきます

この記事は、公的機関とペット保険会社が公開している情報をもとに、犬を飼う費用の一般的な目安と出費の記録のしかたをまとめたものです。治療や予防の要否・内容は、かかりつけの獣医師に相談してください。

気になることは獣医師に相談してください。

犬を飼う費用は「迎えるとき」「毎年」「ときどき」の3つ

犬を飼う費用は3つに分けると見通しが立てやすくなります。迎えるときに一度かかるもの、毎年や毎月くり返しかかる維持費、そしていつ・いくらかかるか前もってわからない費用があります。

下の表のように費用の種類を分けておくと、出費の記録をつけたり予算を立てたりするときにも役立ちます。

分け方主なものかかる時期
迎えるとき犬の登録、マイクロチップの変更登録、ケージやサークル・食器・トイレ用品・首輪とリードなどの用品迎える前後に一度
毎年・毎月フード・おやつ、トイレシーツなどの日用品、狂犬病の予防注射、ワクチンや健康診断などの予防費、シャンプーやトリミング、ペット保険(入っている場合)毎月、または毎年決まった時期
ときどきケガや病気の治療費、ペットホテルやペットシッター、用品の買い替え前もってわからない

迎えるときの初期費用:手続きと用品

犬の初期費用としてまず知っておきたいのが、法律で決められている手続きです。犬の飼い主は、生後91日以上の犬をお住まいの市区町村に登録し、狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせる義務があります(厚生労働省「犬の鑑札、注射済票について」)。

犬の登録は1頭につき基本的に生涯1回で、引っ越したときは移った先の市区町村に届け出ます。予防注射は年1回、4〜6月ごろに受けます。

登録すると鑑札、注射を受けると注射済票が交付され、どちらも犬に付けておきます。

手続きの手数料は市区町村ごとに決まっています。例として横浜市では、登録の手数料が3,000円、注射済票の交付手数料が550円です。

注射の料金は動物病院ごとに異なるため、住んでいる市区町村の案内などで確認しておきます。

ペットショップやブリーダーから迎えた犬や、マイクロチップの入った犬を知人や保護団体から譲り受けたときは、新しい飼い主の情報に変える「変更登録」を行います。手数料はオンラインで400円、紙の手続きで1,400円となっています(環境省のQ&A)。

この変更登録は市区町村の犬の登録とは別の手続きであり、手数料も別にかかります。

手続きいつ費用(例)
犬の登録(市区町村)生涯に1回。引っ越したら届け出3,000円(横浜市の例)
狂犬病の予防注射毎年1回(4〜6月ごろ)注射の料金(動物病院による)と、注射済票の交付手数料 550円(横浜市の例)
マイクロチップの変更登録マイクロチップの入った犬を迎えたときオンライン 400円、紙 1,400円

迎えるときの初期費用としては、ケージやサークル、ベッド、ごはんと水の器、トイレとトイレシーツ、首輪とリード、ブラシ、フードなどの用品代もあります。これらは犬を迎える前にそろえておくと、迎えた当日からあわてずに過ごせます。

用品の値段は犬の大きさや選ぶものによって幅があるため、ここでは金額を出していません。早い時期に動物病院で健康の確認や今後の予防の相談をしておくと、そのあとの予定と費用の見通しも立てやすくなります。

1年・1か月にかかる費用(維持費)の目安

アニコム損保「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」によると、2025年の1年間に犬1頭にかけた費用は平均413,416円でした。

年間の合計を12か月で割ると、1か月あたりの維持費は約3万4千円になります。公式発表の本文で金額が示されている内訳は、治療費と光熱費です。

項目1年あたり(平均)メモ
ケガや病気の治療費89,120円いつ・いくらかかるか前もってわからない
光熱費(飼育に伴う追加分)22,273円冷暖房など。見落としやすい
合計(ほかの項目も含む)413,416円1か月あたり約3万4千円

この調査はアニコム損保のペット保険「どうぶつ健保」の契約者を対象にしたインターネットアンケートで、犬は3,974頭、平均年齢は5.6歳です。保険に入っている人の回答に基づいているため、合計には保険料も含まれています。

示されている金額は平均値ですので、それぞれの家庭の犬にそのまま当てはまるとは限りません。目安として参考にしつつ、実際の額は自分の家の記録で確かめていきます。

冷暖房などの光熱費は、犬のための出費として数えていないことがあります。公式発表では年に22,273円で、見落としやすい項目です。

出費を記録するときは「その他」などの項目に入れておくと、実際の1年の合計出費に近づきます。

生涯の費用は「1年の出費×一緒に暮らす年数」で考える

犬の生涯費用(一生のあいだにかかる費用)は、1年の出費に一緒に暮らす年数をかけると、おおよその見当がつきます。

ただし、子犬のころ、成犬になってから、年を重ねてからでは、暮らし方も出費の内訳も変わっていきます。一度出した数字で決めつけず、日々の記録を見ながら見直していきます。

家計の備えとしては、予防注射や予防費、保険料のように毎年決まって出るものと、ケガや病気の治療費のようにいつ出るかわからないものを分けて考えると準備しやすくなります。

犬を迎える前には毎月の出費だけでなく、急な出費があった場合でも最後まで世話を続けられるかを家族で話し合っておきます。

出費の記録のしかた:家族で払っても1か所にまとめる

机に向かってペンを持つ人の後ろ姿と、机の上のノート・レシート・スマホ。そばの床で柴犬の雑種が伏せているイラスト

家族でお世話をしていると、フードを買う人や病院に連れて行く人が異なり、支払う人がばらばらになりやすくなります。レシートがあちこちに散らばってしまうと、1か月にいくらかかったのかが把握しにくくなります。

そのため、支払った人がその場で、家族みんなが見られる1か所に記録を残すのが、いちばん続けやすいやり方です。

出費の分け方は細かくしすぎないことがポイントです。フード、おやつ、病院、お手入れ、その他(グッズ・保険・ホテルなど)の5つ程度に絞ると、記録するときに迷わず、あとで内訳も見やすくなります。

また、同じ支払いを2か所に書かないことも大切です。たとえばトリミングを「お手入れ」と「その他」の両方に入れてしまうと、合計金額が多く計算されてしまいます。

出費を記録するときに残すこと

  1. 払った日
  2. 金額
  3. 何に使ったか(フード・おやつ・病院・お手入れ・その他のどれか)
  4. どの犬の出費か(2頭以上いるとき。全員のものは「全体」)
  5. だれが払ったか
  6. メモ(お店や病院の名前、フードの量など)

inumemo では、履歴の「出費」から、フード購入・病院・お手入れ・その他の出費を記録できます。病院やお手入れの記録に入れた費用も、出費の画面にまとまります。

その他の出費のカテゴリは、はじめはグッズ・保険・ホテル・その他が用意されており、名前の変更や追加が可能です。記録した内容は、家族のアプリにもすぐに届きます。

「出費を記録する」の見出しと、「フード購入」「病院」「お手入れ」「その他」の4つのボタン
履歴の「出費」の上にある記録ボタン(inumemo)。

記録を見直すタイミング

月に1回の見直しでは、その月の合計と内訳を確認し、先月と比べてみます。フードのまとめ買いや病院にかかった月は出費が多くなるため、金額の多い・少ないだけでなく、何に使ったかも見ておきます。

年に1回は1年間の合計を出します。これが「うちの犬の1年」の維持費の目安になり、翌年の予算や生涯費用を考えるもとになります。

狂犬病の予防注射(4〜6月ごろ)や保険の更新など、毎年決まった時期の出費は、あらかじめカレンダーに入れておくとあわてずに済みます。

inumemo では、月と年の合計、先月や去年の同じ日までとの差、日ごと・月ごとの棒グラフ、カテゴリごとの割合が表示されます。アプリのホームには、今月の出費の合計が出ます。

プレミアムでは、出費のデータを CSV や PDF で書き出すことも可能です。

2026年10月の出費の合計 ¥15,056、「先月の同じ日までより ¥8,096 多い」、日ごとの棒グラフ、その下の内訳「お手入れ 44% ¥6,600」「フード 28% ¥4,280」
1か月の出費の合計と内訳の例(inumemo。見本のデータです)。

よくある質問

犬を飼うと1年でいくらかかる?

アニコム損保のペット保険の契約者を対象にした調査では、2025年に犬1頭にかけた費用は平均413,416円でした。12で割ると1か月あたり約3万4千円です。保険に入っている人の平均なので、実際の額は自分の家の記録で確かめます。

犬を迎えるときに必ずかかる手続きの費用は?

生後91日以上の犬は市区町村への登録(生涯1回)と、毎年1回の狂犬病の予防注射が必要です。手数料は市区町村ごとに決まっていて、横浜市では登録が3,000円、注射済票の交付が550円です。マイクロチップの入った犬を迎えたときは、変更登録の手数料(オンライン400円、紙1,400円)もかかります。

生涯費用はどう考えればいい?

1年の出費に一緒に暮らす年数をかけると、おおよその見当がつきます。暮らし方や年齢で出費の内訳は変わっていくので、毎年の合計を記録で確かめながら見直します。

出費の記録は何に分ければいい?

フード、おやつ、病院、お手入れ、その他(グッズ・保険・ホテルなど)の5つくらいに絞ると、迷わず続けやすくなります。同じ支払いを2か所に書かないようにします。

参考