読みものごはん
犬のごはんの量・回数・時間の決め方 ― 家族で同じ量にするには

犬を迎えてまず迷うのが、ごはんを1日に何回、どのくらい、何時にあげるかという日々の基準です。フードの袋には体重ごとの目安量が書かれていますが、同じ量でも太る犬とそうでない犬がいて、回数も年齢によって変わります。
袋の数字をそのまま真似るだけでは、愛犬にとって本当に合っているのか判断に迷うことも少なくありません。
この記事では、環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」をもとに、量・回数・時間の決め方をわかりやすく整理します。あわせて、家族でお世話を分担している家庭で起きやすい「あげる量が人によって違う」「だれかがあげたのにまたあげてしまった」といったすれ違いを防ぐ、日々の記録のしかたも紹介します。
この記事のポイント
- 量は、フードの袋に書かれた給与量の目安から始めて、体重と体型を見ながら調整します
- 回数は、成犬なら1日分を2回に分けるのが基本。子犬は1回に食べられる量が少ないので回数を増やします
- 家族で同じ量にするには、計る道具をひとつに決め、「1回の量」と「あげた記録」を一か所に置きます
この記事は、健康な犬のごはんの量・回数・時間の決め方を、一般的な目安としてまとめたものです。子犬・シニア、持病のある犬、体重を減らしたいときは、必要な量が変わります。
判断は、かならずかかりつけの獣医師に相談してください。
量は「袋の表示」から始めて、体型で調整する
市販されている総合栄養食などのフードの袋には、体重に応じた1日の給与量の目安が記載されています。環境省のガイドラインでも、まずはこの目安を参考にして、犬の体重や健康状態にあわせながら量を調節していく進め方を勧めています(環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」)。
ごはんの量を決めるときは、まず袋の表示から始めるのが自然な手順です。
同じガイドラインでは、同じ量を食べても太る人とそうでない人がいるように、犬も体質や個体によって必要なカロリーが異なると説明されています。散歩などの運動量や普段の過ごし方、その日の体調によっても消費するエネルギーには差が出ます。
そのため、袋の数値だけに頼り切るのではなく、愛犬の様子を日々観察しながら与える量を調節していくことが基本になります。
最初の量を決めるときは、袋の表示を参考にする方法のほかに、体重とフードのカロリーから1日の目安を計算する方法もあります。愛犬の現在の体重や状態に合わせて計算することで、より客観的な基準を把握しやすくなります。
計算の具体的なしかたについては、犬のごはんの量の計算にまとめています。
決めた量が愛犬に合っているかどうかは、体重の数値だけでなく体型の変化を見て確かめます。環境省のガイドラインでは、犬の体型を5段階で評価するボディコンディションスコア(BCS)が示されており、その中で「理想的」とされる状態を次のように説明しています。
「理想的」な体型の見かた(環境省のガイドラインより)
- 肋骨は、触れるが、見ることはできない
- 上から見て、肋骨の後ろに腰のくびれがわずかに見られる
- 横から見て、腹部が吊り上がっている
月に1回くらい体重を量り、いまの体型とあわせて記録に残しておくと、量を変えたあとの変化が追いやすくなります。見た目だけでは分かりにくいので、手で触れて確かめます。
体型の判断に迷うときは、定期健診などの機会に、かかりつけの動物病院で獣医師に見てもらうのが確実です。
回数は年齢で変わる。成犬は1日2回
環境省のガイドラインによると、犬は1回で1日分を食べられるほど大きな胃を持っているものの、1日1回にまとめて与えるやり方は好ましくないとされています。あわてて飲み込んでのどに詰まらせたり、肥満になりやすいともいわれるためです。
そのうえでガイドラインでは、成犬であれば1日分を2回に分けて与えることを勧めています。一方で子犬は、1回に食べられる量が限られています。
そのため、1日分を4回程度に分けて少しずつ与える方法が示されています。
| 年齢 | 1日の | 考え方 |
|---|---|---|
| 子犬 | 4回程度 | 1回に |
| 成犬 | 2回 | 1日分を |
| シニア | 獣医師に | 運動量や |
子犬の回数をいつ減らすかは、フードメーカーの目安では、生後6〜12週は1日4回、小型犬は生後4か月まで、大型犬は生後6か月までが3回、それ以降は2回とされています(ロイヤルカナン「子犬の食事の回数」)。切り替えの時期は犬の大きさで違うので、迷ったら獣医師に確かめてください。
食事の回数を調整するときは、1日の全体の量は変えずに、1回あたりの量を小分けにするのが基本です。回数が増えたからといって1回の量をそのままにしてしまうと、1日の合計が多くなってしまいます。
また、シニア期に入って一度に食べられる量が落ちてきたときなど、年齢に応じた回数の見直しについても、かかりつけの獣医師に相談しながら進めてください。
時間は、毎日同じ時刻に近づける
何時にごはんをあげるかについて、環境省のガイドラインに決まった時刻の指定はありません。それぞれの家庭の生活リズムにあわせて決めて問題ありませんが、毎日だいたい同じ時刻にそろえておくと、食べなかった日や食べ残した日に気づきやすくなります。
成犬で1日2回に分けるなら、朝と夜のように1日の中で間隔が大きく偏らない組み合わせにします。「朝の散歩から帰ったあと」「夜ごはんの片づけのあと」のように、家族が毎日行っている生活の動作とセットにしておくと、だれが担当しても同じような時刻にあげられます。
決めた時刻は、家族のだれもが見られる場所に共有しておきます。アプリを活用する場合は、ごはんの時刻を登録しておくとその日の予定として画面に表示されます。
次のごはんが何時なのかを家族みんなが同じ画面で確かめられます。
ウエットフードや手作りのごはんは、ドライフードに比べて傷みやすいため、器に入れたまま出しっぱなしにしない配慮が必要です。環境省のガイドラインでは、出しっぱなしは避け、与える時間は20分程度を目安にするとしています。
また、食事とあわせて新鮮な水をいつでも飲めるように用意しておくことも大切です。
おやつとトッピングも、1日の量に入れる
主食であるドッグフードの量をきちんと量っていても、おやつやトッピングを別にして考えていると、1日の合計カロリーは多くなってしまいます。環境省のガイドラインでも、しつけのごほうびやおやつを与えるときはパッケージのカロリー表示を確かめて、与えたぶんだけ主食のフードを減らすよう勧めています。
家族が多い家庭では、だれがいつ何を与えたかが見えにくくなり、気づかないうちにおやつの量が増えてしまいがちです。これを防ぐには、「おやつは1日に何本まで」と家族で上限を決めておき、あげた人がその都度記録に残す習慣をつけることが役に立ちます。
フードを食べなくなったときも、心配だからとおやつで栄養をとらせようとせず、次のごはんの時間まで待つのがひとつの方法だとガイドラインは紹介しています。家族のだれかが人の食べ物を与えていたり、味の強いおやつを与えていたりすることが原因になっている場合があるためです。
食べない日が続くときは、獣医師に相談してください。

家族で同じ量・同じ時間にする
量・回数・時間を決めても、家族の中で実際のあげ方がばらばらだと、1日の合計は決めたとおりになりません。計量カップで計るときに山盛りにするか、すりきりにするかといったわずかな違いだけでも、毎日続けば大きな差になります。
家族のだれが用意しても同じ量になるように、明確なルールを作っておく必要があります。
1. 計る道具を、ひとつに決める
計量カップかキッチンスケールのどちらかをフードのそばにひとつだけ置き、計る道具を固定します。「1回◯g」「カップのすりきり1杯」のように具体的な基準を決めておくことで、目分量による誤差をなくし、だれが計っても同じ量を用意できるようになります。
2. 「1回の量」を、見える場所に書いておく
フードの保管容器や置き場所に、フードの名前と1回の量を大きく書いて貼っておきます。頭の中で覚えているだけだと、家族の間で記憶違いが起こる原因になります。
アプリを使う場合なら、フードごとに「いつもの量」を登録しておくと、記録をつけるときに最初からその量が表示されるため、入力の手間が省けて間違いも防げます。
3. あげたら記録する。あげる前に、記録を見る
家族の間で二重にごはんをあげてしまうトラブルは、あげた事実があげた本人の記憶の中にしか残らないことから起こります。犬はごはんを食べた直後でも催促することがあり、空になった器を見ただけでは、すでにだれかがごはんをあげた後なのか、前の器が置かれたままなのか区別がつきません。
二重のごはんを防ぐためには、記録する場所を家族でひとつに決め、「あげたらすぐに記録する」「あげる前にまず記録を見る」という手順を徹底することが欠かせません。記録を確認する癖をつけておけば、すでに他の家族があげたことにその場で気づけます。
家族内での詳しい役割分担については、家族で犬のお世話を分担するにはにまとめています。
書き写せるごはんカード
決めたごはんのルールを1枚の紙にまとめて、フードの置き場所などに貼っておくと、家族のだれが見ても迷わずに同じ対応ができます。普段あまりお世話をしない家族や、急にお世話を頼まれた人でも、カードを見れば適正な量と時間がすぐにわかります。以下は、モモの場合を想定した記入例です。
| 項目 | 書く | 例 |
|---|---|---|
| フード | いつもの | いつもの |
| 1回の量 | グラムか、 | 60g |
| 回数と | 1日の | 1日2回、 |
| 担当 | 時間帯ごとに | 朝は |
| おやつの | 1日に | ささみジャーキー 1日2本まで |
| 変えた日 | 量を | (体重を |
量の数字は見本です。実際の量は、フードの袋の表示と、かかりつけの獣医師の指示にあわせてください。
この例のように、朝と夜でだれが担当するのか、不在のときはだれが交代するのかを明記しておくと、家庭内でのすれ違いを防ぐことができます。また、体重を量ってフードの量を見直した日付を書き残していくことで、どのような経過で量を調整してきたかが家族全員にひと目で伝わります。
量を変えるとき、迷ったとき
体重が増えてきたときや、逆に痩せてきたり食べ残しが続くといったときは、ごはんの量を少しだけ調整して、しばらく様子を見ます。一度に大きく変えず、少しずつ変えて様子を見ます。
量を変えた日付とそのときの体重を記録しておくと、次に量を見直すときの大切な判断材料になります。
子犬は成長にともなって体重がどんどん変わるため、定期的に体重を量るたびにフードの袋の表示を見直します。一方、体重を減らしたい場合や、シニア期、持病のある犬については、飼い主の自己判断で量や回数を変えず、かかりつけの獣医師に相談してください。

