読みもの散歩と体調
犬の散歩は何分・何km ― サイズ別の目安と、うちの子に合う量の見つけ方

犬の散歩の時間や距離には、よく紹介される目安があります。ただ、いくつか調べてみると出典によって数字が少しずつ違い、同じ小型犬でも1回10分ほどとするものもあれば、30分ほどとするものもあります。
この記事では、自治体の資料とペット保険会社のコラムが示す目安を並べて紹介したうえで、数字に幅がある理由と、散歩のあとの様子や記録から「うちの子に合う量」を見つける方法をまとめました。
家族で散歩を分担しているときの、一日と一週間の合計の見方もあわせて紹介します。
この記事のポイント
- 1回の散歩の目安は、小型犬で10〜30分ほど、中型犬で20〜30分ほど、大型犬で30〜60分ほど。回数は朝と夕方の1日2回がよく紹介されますが、出典によって数字に幅があります
- 散歩は長いほどよいわけではありません。犬種や年齢、その日の様子によって合う量は変わります
- 散歩のあとの様子と、時間・距離の記録を1〜2週間見比べると、うちの子に合う量の手がかりが見えてきます
この記事は、自治体や環境省、ペット保険会社が公開している情報をもとに、散歩の時間と距離の一般的な目安をまとめたもので、診断の代わりではありません。子犬や高齢の犬、持病や関節に心配がある犬の散歩の量は、かかりつけの獣医師に相談してください。
散歩中や散歩のあとにぐったりしている、足を引きずる、息が苦しそうなど、いつもと様子が違うときは、記録を待たずに動物病院に連絡してください。
犬の散歩の時間と距離の目安(サイズ別)
犬の散歩の時間と距離について、ここでは2つの情報を並べて紹介します。ひとつは、名古屋市健康福祉局 動物愛護センターが編集した、犬を迎える人に向けた犬の飼い方の説明資料(名古屋市)です。
もうひとつは、ペット保険のSBIプリズムペット「お散歩で健康維持!愛犬とのお散歩で気をつけたいこと」です。
| サイズ | 名古屋市の | SBIプリズムペットの |
|---|---|---|
| 小型犬 | 朝夕に | 1日1〜2回、 |
| 中型犬 | 朝夕に | 1日2回、 |
| 大型犬 | 朝夕に | 1日2回、 |
どちらも1回あたりの目安です。名古屋市の資料は「おおまかな目安」として、コラムの距離は「その時間で歩ける距離」として示されています。
2つを合わせると、1回の散歩はおおよそ小型犬で10〜30分、中型犬で20〜30分、大型犬で30〜60分ほどで、回数は朝と夕方の1日2回が目安として紹介されています。小型犬については、1日1〜2回とする記載もあります。
距離については、名古屋市の資料には書かれていません。コラムでは、小型犬で1〜2km、中型犬で2km、大型犬で2〜4kmほどを、それぞれの時間で歩ける距離として紹介しています。
歩く速さは犬によっても道によっても違うため、距離は時間とあわせて見ておくと比べやすくなります。
目安の数字に幅があるのはなぜ?
名古屋市の資料は、必要な運動量は品種や年齢などによって異なるとしたうえで、先ほどの数字を「おおまかな目安」として示しています。環境省の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」も、犬は品種によって毎日の必要な運動量が異なると書いています。
つまり、サイズ別の数字は、多くの犬にあてはまりそうな範囲を示したもので、目の前の1頭にぴったり合う量を決めるものではありません。出典ごとに数字が少しずつ違っても、どれかが間違っているというより、もともと目安に幅があるものと受けとめておくとよいでしょう。
SBIプリズムペットのコラムは、散歩は歩く時間や距離が長ければ長いほど健康によいわけではなく、その子にとって適正な運動量がある、としています。大型犬は室内で十分に動くのが難しいため散歩を長めにとるとよい一方で、長すぎる散歩は腰や足の関節の負担になることもあると注意しています。
目安より短いから足りない、長いから安心、と数字だけで決めずに、目安を出発点にして、その子の様子を見ながら調整していくことが大切です。
犬種と年齢で、必要な運動量は変わる
必要な運動量は、体の大きさだけでなく、その犬種がもともとどんな仕事をしてきたかにも大きく左右されるとされています(SBIプリズムペット)。コラムでは、狩猟犬だったビーグルやミニチュア・ダックスフンド、牧羊犬だったボーダー・コリーやシェットランド・シープドッグが、より多くの運動量が必要な例として挙げられています。
反対に、愛玩犬だったチワワやマルチーズなどは、短い時間でも必要な運動量を満たせる例として紹介されています。同じ小型犬でも、ミニチュア・ダックスフンドとチワワでは、合う散歩の量が違うことがあるということです。
年齢による違いもあります。名古屋市の資料と、広島市の「犬を飼っている方へ(楽しい散歩編)」は、どちらも子犬や老犬には無理をさせないよう呼びかけています。
ただし、年齢ごとの時間や距離の数字は、今回確かめた資料には示されていませんでした。
そのため、この記事では子犬やシニア犬の散歩の時間を数字では書きません。子犬の散歩をいつから始めるか、シニア犬や持病のある犬をどのくらい歩かせるかは、かかりつけの獣医師に相談して決めてください。
散歩の量が合っているかは、散歩のあとの様子で見る
目安の数字よりも頼りになるのは、散歩のあとの犬の様子です。SBIプリズムペットのコラムは、散歩のあともまだ元気いっぱいなら時間をもう少し長くしてみる、反対に途中で足を止めたりスピードが遅くなったり、帰宅後にぐったりしていたりしたら長すぎるのかもしれない、という見方を紹介しています。
| 散歩の | 考えられる | 次の |
|---|---|---|
| まだ | 少し | 少しだけ |
| 途中で | 長すぎるのかもしれない | 短めの |
| 帰ってから | 長すぎる、 | 短くして |
SBIプリズムペットのコラムの見方をもとにまとめたものです。調整は一度に大きく変えず、少しずつ試します。
コラムでは、無駄吠えや甘噛みが目立つときは、運動不足が要因になっていることもあるとしています。ただ、ほかの理由のこともあるため、運動量だけで決めつけず、気になるときは獣医師などに相談すると安心です。
広島市は、毎日の散歩は犬の意欲や歩き方などから異常をいち早く見つける健康チェックにもなるとしています。散歩の量を見直すことは、その子のいつもの歩き方や元気さを知っておくことにもつながります。
散歩だけでは運動が足りないように見えるときは、ドッグランなどを上手に使う方法もあります(広島市)。また、犬を何頭か飼っている場合は運動のしすぎや運動不足になりやすいため、1頭ずつ様子を見ることが大切だとされています(SBIプリズムペット)。
「うちの子に合う量」を記録で見つける
散歩のあとの様子を見るといっても、「先週より疲れやすい気がする」といった印象は、日がたつと思い出せなくなりがちです。そこで、1〜2週間ほど、毎回の散歩について次のことを残してみます。
散歩のたびに残すこと
- 出た時刻と、歩いた時間・距離
- 散歩のあとの様子(家族で決めた言葉で。たとえば「元気いっぱい」「ふつう」「ぐったり」)
- 途中で止まった、遅くなった、などのひとこと
- 天気と、だれが連れていったか
様子をあらわす言葉を家族で先にそろえておくと、あとで見比べやすくなります。「ふつう」が続いているときの時間と距離が、その子のいまの「いつもの量」の手がかりになります。
記録は、多かったか少なかったかを採点するためではなく、その子の「いつも」を知るためのものです。いつもを知っていれば、歩くのをいやがる、いつもより早く疲れるといった変化にも気づきやすくなります。
変化が続くときは、記録を持って動物病院に相談してください。
散歩で残しておきたい項目や、おしっこ・うんちの見方は「犬のうんちの回数・色・硬さの目安」に、夏に向いている時間帯と路面の確かめ方は「犬の夏の散歩は何時から」にまとめています。
家族で分担するときは、一日と一週間の合計で見る
朝はそらさん、夕方はゆきさんが散歩を担当している家庭では、それぞれが見ているのは一日の散歩の半分です。朝の散歩だけを見ると短く感じても、夕方とあわせれば目安どおりのこともありますし、その逆もあります。
休日だけ長く歩いたり、忙しい週に短い散歩が続いたりすることもあります。一日の合計に加えて、一週間でどのくらい歩いたかも見ておくと、モモの散歩の量について家族で同じものを見ながら話せます。
記録が家族それぞれのメモに分かれていると、合計を出すのは手間がかかります。ひとつの場所にまとめておけば、だれが何回連れていったかも見えて、担当のかたよりにも気づけます。
担当の決め方は「家族で犬のお世話を分担するには」にまとめています。
書き写せる1週間の散歩メモ
紙に書き写して、リードのそばや玄関に置いて使ってください。朝と夕方を別の人が担当していても、同じ表に書けば一日の合計がひと目でわかります。
| 曜日 | 朝 | 夕方 | 一日の | あとの |
|---|---|---|---|---|
| 月 | ||||
| 火 | ||||
| 水 | ||||
| 木 | ||||
| 金 | ||||
| 土 | ||||
| 日 | ||||
| 合計 |
朝と夕方の欄には、出た時刻・歩いた分・km・連れていった人を書きます。「あとの様子」は散歩のあとの様子を、家族で決めた言葉で書きます。気になる様子が続くときは、この表を持って動物病院に相談すると、経過を伝えやすくなります。


