読みもの家族の分担
犬の留守番は何時間まで ― 共働きの家族の分担と、帰った人の記録

犬の留守番の目安は、調べる先によって数字が違います。子犬はトイレの練習中は3時間以上置かない、成犬は6〜8時間とする解説もあれば、健康な成犬は8〜12時間といわれる、とする解説もあります。
どちらが正しいかというより、留守番の長さは排せつの間かくと、ひとりで過ごすことへの慣れで決まる、と考えると動きやすいです。この記事では、確かめた出典の数字を並べたうえで、共働きで長くなる日に家族の帰る時刻で分担する方法と、帰った人がごはん・トイレ・散歩を記録するしかたをまとめました。
この記事のポイント
- 留守番の時間の目安は出典によって幅があります。子犬はトイレの練習中は3時間以上置かない、成犬は6〜8時間または8〜12時間とされる、と書かれています
- 長さは排せつの間かくと慣れで決まります。長い日は、だれが何時に帰れるかで分担します
- 帰った人がごはん・トイレ・散歩をその場で記録すると、家族のあげ忘れと二重を防げます
この記事は、獣医師の解説と環境省の資料をもとに、留守番の時間の一般的な目安と家族の分担をまとめたもので、診断の代わりではありません。子犬や高齢の犬、持病のある犬、ひとりが苦手な様子がある犬の留守番の長さは、かかりつけの獣医師に相談してください。
気になる様子があるとき、判断に迷うときは、記録を待たずに獣医師に相談してください。
留守番の時間は、年齢と排せつの間かくで変わる
共働きだと、朝出て夜帰るまでに9〜10時間空く日があります。カインズの読みもの「ワンクォール」(獣医師 茂木千恵、2023年9月14日更新)も、平日共働きの家庭では1日9〜10時間の留守番が週5日くり返されることがある、と書いています。
その時間を「大丈夫」と言っているわけではありません。同じ記事は、長くなっても負担を小さくするポイントは排せつのタイミングにかかわることが大きく、年齢によって違う、としています。
時間の目安も、出典によって幅があります。ワンクォールは成犬で一般的に6〜8時間としています。
ペット&ファミリー損保「子犬のお留守番はいつから?」(獣医師監修、2024年6月11日更新)は、健康な成犬は8〜12時間はお留守番ができるといわれている、と書いています。
数字が一つにそろわないのは、排せつの間かく、ごはんの回数、ひとりで過ごすことへの慣れ、トイレを家でできるかどうかが犬ごとに違うからです。目安は出発点にして、うちの子の間かくと様子で長さを決めていきます。
| 成長 | ワンクォール | ペット&ファミリー損保 |
|---|---|---|
| 子犬 | トイレの | 何時間できるとは |
| 成犬 | 1歳以降は、 | 健康な |
| 7歳以上 | 健康であれば | この |
どちらも「一般的に」「といわれている」という書き方です。うちの子の上限ではありません。ワンクォールの記事には PR の表示があります。
12時間を超える目安は、今回読んだ出典にはありませんでした。「12時間以上でもよいか」への答えを数字では書きません。
その長さになる日は、家族の交代か、預け先を先に考える、という話をあとの節で書きます。
子犬の留守番は短い時間から
子犬は、排せつの間かくがまだ短いです。ワンクォールは、子犬は3〜5時間おきに排せつのリズムがあるため、トイレの練習中は3時間以上置かないように、としています。
生後3か月を過ぎると間かくが開き、一般的に月齢が間かくの時間になる、とも書いています。
ペット&ファミリー損保は、フードの切り替えが終わるまで(生後3〜4か月未満)は、短時間でも留守番を避けた方がよい、としています。どうしても空ける必要があるときは、親戚や友人、ペットシッター、犬の幼稚園、ペットホテル、動物病院などの預け先を検討する、と書かれています。
同じ記事は、お留守番の練習は環境への順応性が高い社会化期、生後3か月ごろの開始がよい、としています。いつから大丈夫かは個体差があり、トイレの練習が進んでいるかがポイントだ、とも書いています。
子犬のごはんは、成犬より回数が多いです。ペット&ファミリー損保は、生後3〜6か月は1日3〜4回、生後6か月〜1歳ごろは1日2〜3回が目安だとしています。
回数が多いうちに長く空けると、ごはんの時間もずれやすいです。量と回数の決め方は犬のごはんの量・回数・時間の決め方にまとめています。
練習の進め方は、どちらの出典も短い時間から、少しずつ延ばす、としています。ペット&ファミリー損保は、はじめは1分ほど離れて戻り、吠えたり鳴いたりする前に戻る、2分、3分と延ばす、と書いています。
ワンクォールも、出かけるそぶりだけから始め、ほんの少し外出してすぐ戻る、段階を踏んで時間を延ばす、としています。
いきなり仕事の日の長さで留守番を始める、というやり方は、今回読んだ出典にはありません。共働きで子犬を迎えたときは、だれかが昼に寄れるか、預け先を使えるかを、迎える前に家族で話しておく必要があります。
留守番の前に整えること
時間の目安と同じくらい大事なのが、留守中の部屋の状態です。環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」は、犬や猫は夏場などの高温が苦手だとして、西日が強く当たる環境や夏場に留守にする場合は、エアコンをかけるなど適度な室温と湿度を保つ必要がある、と書いています。
エアコンの風が直接当たらないようにすること、いつでも新鮮な水が飲めるようにしておくことも、同じ節にあります。
環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」も、適切な温度や湿度の維持など、飼養環境を確保するよう求めています。基準には留守番の時間の数字はありません。
ワンクォールは、口に入れると危険なもの、電化製品のコード、人用の薬、洗剤、殺虫剤は犬の口や手が届くところに置かない、鍵のかかる戸棚にしまう、としています。環境省のガイドラインも、室内ではいろいろなものを口にしたり、観葉植物や電気製品をかじったりする事故が起きうる、と注意しています。
ケージやサークルで留守番させる場合、ワンクォールは、その中の温度と湿度、水、排せつができる状態にしておく必要がある、としています。クーラーの冷風や暖房の近くに置いて、逃げ場がなくならないように、とも書いています。
出かける前の散歩も、どちらの獣医師解説にも出てきます。ワンクォールは、排せつがスムーズになるだけでなく、留守中に寝て過ごす時間を長くできる、としています。
ペット&ファミリー損保も、お留守番前に散歩や遊びで発散させ、排せつを済ませておくとよい、と書いています。夏の路面の熱の確かめ方は夏の散歩は何時から?気温と路面の確かめ方にまとめています。
長くなる日は、家族の帰る時刻で分担する

目安より長くなりそうな日は、犬に12時間耐えてもらう、と考えるより、人が途中で帰る、と考えた方が動きやすいです。環境省のガイドラインは、犬や猫を飼うのに家族の理解と協力は不可欠だ、としています。
留守番の長さも、ひとりの勤務時間だけで決めずに、家族のだれが何時に家を出て、何時に帰れるかで組み立てます。
たとえば、そらさんが8時に出て18時半に帰り、ゆきさんが8時半に出て17時に帰れるなら、モモのいちばん長いひとりの時間は、ゆきさんが出てから帰るまでの約8時間半です。ゆきさんが昼休みに寄れれば、さらに短くできます。
担当は「ごはんはそら、散歩はゆき」と作業で分けるより、「その時間に家にいる人」で分けます。早く帰った人が夕方のごはんと散歩、朝に出る人が朝のごはんと散歩、という分け方です。
作業ごとの担当だと、残業の日に毎回「今日はどうする?」と連絡することになります。時間帯で分ける決め方は、家族で犬のお世話を分担するにはに詳しく書いています。
12時間を超える日、またはうちの子の間かくより明らかに長い日は、数字で区切らず、次を先に決めます。家族のだれかが途中で寄る、勤務をずらす、ペットシッターやペットホテル、知り合いに預ける、です。
ペット&ファミリー損保は、子犬でどうしても空ける必要があるときの預け先として、親戚や友人、ペットシッター、犬の幼稚園、ペットホテル、動物病院を挙げています。成犬でも、トイレを外でしかできない、ひとりが苦手、という場合は、同じ選択肢が使えます。
代わりの人がいない日は、前の晩までにひとり決めておきます。「気づいた人が寄る」だと、ふたりが寄ってごはんが二重になる日と、だれも寄らない日がどちらも起きます。
帰ってきた人が、ごはん・トイレ・散歩を記録する
分担を決めても、帰った人が何をしたかが家族に伝わらなければ、あげ忘れと二重が起きます。ゆきさんが17時にごはんをあげて散歩に出ても、そらさんが18時半に空の器を見て「まだか」と思ってしまう、という行き違いです。
防ぐには、帰った人がその場で、ごはん・トイレ・散歩を家族の同じ場所に記録します。記録する場所は家庭内で1つだけにします。
ある人は会話アプリ、ある人は冷蔵庫のメモ、だと、結局どちらも見なくなります。
inumemo では、ホームのボタンからごはん・トイレ・散歩を記録すると、家族のアプリにも届きます。設定の通知で「家族が記録したとき」をオンにすると、記録したことが iPhone の通知でもわかります。
あげる前に記録を見る、という順番は、家族の分担の記事と同じです。
散歩は、スタートしたときと終わったときも家族に共有できます。inumemo の設定で「散歩に出かけたとき」「散歩から帰ってきたとき」をオンにすると、通知でわかります。
昼にゆきさんがモモを連れて出たことが、まだ会社にいるそらさんにも届く、という使い方です。
inumemo に、留守中の部屋の様子を見る機能はありません。長さの判断は、排せつの間かくと、帰ったあとの様子、記録に残ったごはん・トイレ・散歩の時刻で見ます。
帰ったあとに粗相がある、水をほとんど飲んでいない、落ち着かない、といった様子が続くときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
書き写せる留守番の分担表
家族で帰る時刻を話し合うときに、そのまま書き写せる表です。そらさんとゆきさんが、モモの留守番を分担する場合の例です。空欄の行は、うちの曜日に合わせて使ってください。
| 曜日 | 出る | ごはん | 散歩 |
|---|---|---|---|
| 月 | そら 8:00–18:30/ゆき 8:30–17:00 | 朝そら/夕ゆき | 朝そら/夕ゆき |
| 火 | そら 8:00–18:30/ゆき 8:30–17:00 | 朝そら/夕ゆき | 朝そら/夕ゆき |
| 水 | そら 8:00–20:00/ゆき 8:30–17:00 | 朝そら/夕ゆき | 朝そら/夕ゆき。 |
| 木 | |||
| 金 | |||
| 土 | 家族の | 家に | 家に |
| 日 | 家族の | 家に | 家に |
「出る・帰る」は、その日に家を空ける人の時刻です。モモがいちばん長くひとりになる時間は、最後に出た人の出発から、最初に帰った人の帰宅までです。
話し合うときのチェックリスト
- うちの子の排せつの間かくと、ごはんの回数を確認した
- 平日の「最初に出る人」と「最初に帰る人」を曜日ごとに書いた
- 目安より長くなりそうな日の、途中で寄る人か預け先を決めた
- 帰った人がごはん・トイレ・散歩を書く場所を1つにした
- 夏場の室温・湿度、水、口に入るものの片づけを確認した
表は一度書いて終わりではありません。勤務が変わったとき、子犬の間かくが開いてきたとき、7歳を過ぎて様子が変わってきたときは、そのつど直します。
よくある質問
犬の留守番は何時間まで?
出典によって幅があります。ワンクォールは成犬で一般的に6〜8時間、ペット&ファミリー損保は健康な成犬で8〜12時間といわれる、としています。子犬はトイレの練習中は3時間以上置かない、とする解説があります。うちの子の排せつの間かくと慣れで決め、気になることは獣医師に相談してください。
子犬は共働きでも留守番できる?
短い時間から練習するのが、読んだ出典の共通した書き方です。ペット&ファミリー損保は、フードの切り替えが終わる前(生後3〜4か月未満)は短時間でも避け、どうしても空けるときは預け先を検討する、としています。共働きで迎えるときは、だれかが昼に寄れるか、預け先を使えるかを先に話します。
12時間以上の留守番はどうする?
今回読んだ出典に、12時間を超える目安はありません。数字で区切らず、家族のだれかが途中で帰る、勤務をずらす、ペットシッターやペットホテル、知り合いに預ける、を先に決めます。
家族で分担するには?
作業ではなく、その時間に家にいる人で分けます。早く帰った人が夕方のごはんと散歩を担当し、帰った人がその場で記録します。記録する場所は家庭内で1つにします。



